M&A案件で知っておきたい秘密保持契約の重要性

M&Aアドバイザーや売り手オーナー様から「うちの会社買ってくれませんか?」とアプローチを受けることがあると思います。その際に提案書も添えて提案を受けることが多いと思いますが、その提案書、どうしていますか?

・自分だけ確認し、破棄している
・顧問税理士の先生や銀行担当者など、経営に関与している関係者に確認してもらっている
・誰彼構わず開示している

当記事ではM&A案件の秘密保持契約の意味、なぜ秘密とすべきなのか、などについて深掘りしていきたいと思います。

 

「秘密保持に始まり、秘密保持に終わる」

 

M&A専門家の界隈では有名な言葉です。基本的にM&A案件は、売り案件の情報も買い手の戦略や情報も、秘密情報となります。基本的には、誰にも開示すべきものではない、というものです。ただし、例外として顧問税理士や弁護士、関与している専門家への開示は認められているケースが多いです。

ただ、まるで不動産情報を扱うかの様に案件情報をばら撒いている方を見かけます。良かれと思っての行動だと思いますが、これはあまりよろしくない行動にあたります。それはなぜでしょうか?大きく2つの理由が挙げられます。

 


〜目次〜

1.情報漏洩につながる

2.買い手が見つけにくくなる

3.まとめ


 

1.情報漏洩につながる

当たり前のことですが、案件情報を目にする方の数が増えれば増えるほど、情報漏洩につながる確率は高くなります。情報漏洩してプラスになることはほぼありません。むしろ、マイナスとなる事だらけです。

・従業員に極秘裏で進めていたにも関わらず、第三者の口から従業員の耳に売却の話が伝わってしまい、従業員の退職につながってしまう
・取引先などを経由して、「あの会社は売りに出ている。経営がやばいんだ。以後取引を控えよう」といった動きにつながり、正常な運営に支障をきたしてしまう

などが代表的な被害例です。従業員からの離反を受ける、取引先との取引がストップしてしまう、このような事態になりますと、M&Aどころではなくなってしまいます。上記を避けるためにも、くれぐれも情報漏洩には気をつけていきたいものです。

 

2.買い手が見つけにくくなる

「多くの方に、案件情報を見てもらった方が買い手を見つけやすいのではないか」そう思う方が多いと思いますが、実は逆です。出回り案件になればなるほど、買い手は見つけにくくなっていきます。

買い手の立場になってみると分かると思うのですが、こっちでもそっちでもあっちでも同じ案件を提案されたらどう思うのでしょうか?

「この案件はなかなか買い手がつかないんだな。なんか問題でもあるんだろうな」

というレッテルを貼られることになってしまうのです。アドバイザーはそれが分かっているのであまりやりませんが、提案を受ける立場の買い手候補の方は悪気なくばら撒いてしまうことが多いです。買い手を見つけてあげたい、そんな良かれと思っての行動ですが、実はこの行動が逆効果なのです。

買い手が見つかりにくくなる行動をアドバイザーの方が取ることはないのですが、思わぬところで自分がご提案したお客様から漏洩し、自らの首を絞めることにつながることがあるのです。

 

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?

注意すべきは、アドバイザーの知らないところで広がってしまうケースが多い、という点です。アドバイザー自身は秘密情報の扱いに気をつけていても、第三者から間接的に情報漏洩へつながってしまうことがあるのです。

自分自身が気をつけることはもちろんですが、売り手、買い手、などなど、案件に関係する全ての方に秘密情報としての認識を持って頂き、取り扱いには十分注意を払っていただける様、促す必要があります。もっと言うと、やりとりの相手に応じて、秘密情報の理解度を見極め、情報開示量の調整を行う必要があると思います。

「秘密保持契約を結んでいるから安心、ではない」という認識を持つ必要があるのではないでしょうか?なかなか案件の詳細を開示してもらえないな、そう思ったそこのあなた。専門家から口が軽い人だと思われている可能性があります。残念ですが、以後、案件化ホヤホヤの良案件の話は来ないかもしれません。ご自身の行動を見直すことをお勧めします。

そしてアドバイザーの皆さん、ご自身が取り扱いに注意するのはもちろん、関係する売り手、買い手、金融機関など、関連する全ての方への注意喚起を忘れないようにしましょう。

 

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