M&Aアドバイザリー業務に必要なスキルと今後の差別化ポイント

2018年10月からM&A業務を始め、約3年。自社直案件、協業先との協業案件、全て含めると100件超の案件に関与し、11件ほどの案件成約を実現してまいりました。
 
そんな経験の中で感じた、これからのM&Aアドバイザーに必要なスキルを紹介していきたいと思います。

〜目次〜

1.売り需要の発掘スキル

2.買い需要の発掘スキル

3.売り需要と買い需要をマッチングする発想スキル

4.これから求められる新たなスキル


1.売り需要の発掘スキル

簡単に言うと「うちの会社売りたいんですけど?」そんなオーナーを見つけるスキルです。これが結構難しいです。

「あなたの会社売ってくれない?」「はい、もちろんです」

こんな簡単に反応をするオーナーは当たり前ですがほぼいません。世のアドバイザーは、皆いろいろ試行錯誤しながら探すわけですが、ここはアドバイザーとしての知恵とコミュニケーション力、推察力が重要になってきます。
 
自分がたどり着いた現時点での解は、M&Aの「エ」の字も出さずに、出来るだけ多くのオーナーと、様々な角度での接点を持つことです。弊社の得意と掛け算して現在実施している手法が、補助金申請の代行業務でしょうか。
 
補助金申請それ自体を生業としている方は結構多いですが、その目的が将来のM&A案件のリスト化であるケースはあまりないと思います。これが結構相性が良くて、補助金申請の諸々手続きを実施する事でその会社が本当に求めていることがなんなのか、課題がなんなのか、強みや弱みがなんなのか、これらがほぼ分かるのです。
 

2.買い需要の発掘スキル

M&Aアドバイザーに求められるスキル、2つ目は買い需要を発掘するスキルです。昨今のM&A隆盛(サラリーマンも飲食店を買う時代)の影響か、買う買う詐欺の方も多いので注意が必要です。
 
「会社買いたいから紹介して、って言ってる俺カッコいい」
 
そんな方が一定数います。そんな方に惑わされることなく、真の買い手候補様を発掘し、その方が望む案件を紹介する力、この力が重要なのです。この見分け・目利きは慣れてくると分かる様になってきます。
 
そんなこんなで真正なる買い手候補を見抜いた後に必要になる力は、買い手さんの需要、リストを整理する力です。そちこちで買い需要の話を聞いていると(直接聞いたり又聞きだったりメールやチャットでの要望だったりもあります)、その需要が漏れてしまう可能性があります。
 
Aが欲しいという需要があって、別のところでAが売りたいという需要があったとしても、Aが欲しい需要があったことを忘れてしまうとマッチングし損ねてしまうのです。これは整理しておけば失念することはなくて、整理の仕方、管理の仕方なども自分に合った方法をどれだけ持っているか、この点がポイントではないでしょうか。
 

3.売り需要と買い需要をマッチングする発想スキル 

M&Aアドバイザーに求められるスキル、3つ目は買い需要を発掘するスキルです。

例えば、
・買い需要「人気ECサイトを手に入れたい」
・売り需要「地域ナンバーワンの饅頭販売店を売却したい(店頭販売のみ実施している)」
こんな買い売りの需要があったとしても、表面だけ捉えてしまうとマッチングは難しいでしょう。
 
ただ、発想を転換すると、その地域でしか売ってない、しかも店頭販売しか行っていない人気饅頭店を譲り受けて、(自腹にはなるが)ECサイトを自社構築することができたら、買い手の需要は満たせることになるのです。
 
 
これらの発想力は慣れによる部分というよりは、センスによる部分が大きいと思います。経験数が多ければ同様の掛け算式で複数案件に転用できるかもしれませんが、よほど大手M&A会社でもない限り大量の経験をこなす事が難しいことを考えると、センスに頼る部分は大きいでしょう。
 
売り案件を目にするたびに、この案件だったらどの買い手候補にどんな提案をしよう、そう考える癖をつける必要があるのではないでしょうか。
 

4.これから求められる新たなスキル

M&A会社、アドバイザーが増えてきている中で、他者と差別化する必要が出てきています。弊社の考える差別化項目としては、譲渡後の統合手続きを専門的に支援するスキルです。
 
「その道の専門家×M&Aアドバイザー」この掛け算が他社との差別化につながる、そう強く感じています。どのアドバイザーも、案件をマッチングし、譲渡契約を締結するところまでをゴールとして考えている方が多いのです。
 
×理美容業界
×農業界
×温泉旅館業界
×会計事務所業界
×飲食店業界
 
など、それぞれの道の専門家、実業としてやられているオーナー様と提携し、スムーズに、専門的な支援を実施できることが差別化につながるものと感じています。
 
 
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